眼光衰えず(Ⅲ)
mingleart
國吉清
絵画仲間と初夏のスケッチ会で描いた絵である。
陽光の移動に伴い影や色が変化する中で苦労した一品である。木造建ての赤瓦屋(赤がーらやー)は風情があり沖縄の風景画によく見られたが、近年特に都会では目にするのが少なくなった。
瓦のレンガ色は周りの木々の緑や空の色によく映える。
沖縄の瓦は剥離しないように白い漆喰で固められるが、年を経るごとに瓦のレンガ色と共に変色し屋根全体としてしっとりとした雰囲気を醸し出し、周りの風景とマッチするようになる。
モチーフの風景は近代的なコンクリート家屋が増加する中にあって、なおその存在感を醸しているように見える。
北側から見た描いたこのモチーフからは解らないが、南側に解放された屋敷の中には北側に古い豚小屋が配置され伝統的な沖縄風水の良さが感じられる造りとなっている。